昨今は長引く景気の低迷や不安定な雇用情勢に加え、競争社会や成果主義志向が強まり、ストレスやプレッシャーの多い社会環境にあります。そのため仕事に対する精神的な不安を抱える社員は平均して約2%、潜在的なものも含めると約5%の社員が職場に対して何らかの悩みや不安を抱えている状態にあると言われています。

うつ病による欠勤や休職者が増えメンタルヘルスケアに積極的に取り組む企業も増えてきています。またうつ病は心身の不調から職場復帰することが困難になったり、過労からうつ病を発症し自殺に追い込まれるなど最悪のシナリオをたどるケースも起きてしまっており、軽視できない社会問題となっています。

特にうつ病の発症ケースが多く見られるのが30代のビジネスマンで、性格的に真面目で責任感が強く几帳面なタイプの人に多い傾向です。職種別ではシステムエンジニアなどIT業界の技術者に多く、精神障害による労災認定件数も急増していると言われています。  システムエンジニアのうつ病の主な原因は、残業や休日出勤による過度な労働時間、人間関係や待遇面など働く環境の悪さ、そして不安定な将来性などがあると考えられています。職場によっては常識を外れた残業や長時間労働を強いられ、プライベートや家族と過ごす時間をままならない、薄給激務と言われる就労環境も少なくありません。また近年は社会構造や企業組織も年功序列から成果主義への移行が強まり、昔なら想定することが将来のキャリアプランが見えにくい(自ら描いていかなければならない)時代となりました。成果主義はストレスやプレッシャーを生み、人間関係の粗雑さや、労働時間を増大させてしまっているのです。

 もしも職場のストレスや極度な疲れから気持ちの落ち込みが2週間以上続くようなら会社の産業医または保健師に相談するか、心療内科を受診した方が良いでしょう。近年はうつ病に対する理解も浸透し、社員の健康問題を企業の戦力ダウンと捉えてメンタルヘルスに関する方策を講じる企業も多くなってきています。本人とのカウンセリングをはじめ、リハビリ的勤務のサポートする、会社のスタンスやルール調整への働きかけ、本人に関わる周囲の方々を含めたコンサルティングやコーディネーションを行って現場復帰をバックアップしてくれる企業もあるため、躊躇せず早めの相談、治療に徹しましょう。うつ病の70~80%は早期治療によって2~3か月で治ります。そして場合によっては心身ともに健全に働くことができる職場探しを視野に入れることも大切です。